浦安の子も、岩手の子も応援したいから……

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岩手県釜石市出身のYです


大津波で、生まれ育った町が破壊されました。


残念ながら、助からなかった親族もいます。
辛いとか、悲しいという言葉では足りません。

三陸地方は明治、昭和と過去2度にわたり、大津波ですべてを失いました。
そのため小学校では、授業で津波の歴史について勉強します。


特に「三陸大津波」のあった3月に行われる避難訓練では、
お年寄りも杖を着きながら、高台へと避難する姿が見られます。


専門家もたびたび研究に訪れ、釜石の堤防は「世界の堤防」になり、
ギネスにも認定されていました。とても防災意識の高い街です。


しかし、あの惨状です。

あの甚大な被害の中、釜石市の小・中学生の避難率は100%に近かったとのこと。
これぞ津波学習の成果! 避難訓練の成果!
教育ってスゴイな、私は素晴らしい教育を受けて来たんだ……と思っていたところに
岩手の子どもたちを応援するプロジェクトを知りました。


「学び応援プロジェクト~20年後の未来のために~」


岩手県盛岡市の地域SNS「モリオネット」の呼びかけで始まった
被災地の子どもに文房具を送ろうというこの運動は、全国の地域SNSに拡大中。


私も会社でコソコソと「余ってる文房具ないすか?」と草の根活動をしていたところ
あまりのココロの折れっぷりを見るに見かねたのか?!社内にもこの動きが拡大。
(そして私は調子ぶっこき「文房具を持ってる人はいないかー」と、なまはげ化)
ついには、お世話になっている「サンルートプラザ東京」の力も借りられることになりました。

そこで、4/2(土)13:00から、同ホテルで「みんなであそぼうニコニコひろば」を開催。
前回のブログにもありますが、サンルートプラザ東京のある浦安では液状化の被害が深刻です。
ならば「浦安の子どもを元気づけ、そして、岩手で頑張るお友達も応援しよう!!」ということで、
会場では、わなげ、スプーンリレー、竹馬、けん玉、マジック体験&教室、ムービー上映などの
〝お楽しみを用意。さらに、地元のフットサルチーム「バルドラール浦安F.S.」も登場!
こうして、主旨に賛同した企業や団体が後方支援を行い、私もお手伝いに伺います。


対象は浦安市在住の子どもたちで、もちろん入場無料。JR京葉線「舞浜駅」の南口から
約20分間隔で無料のシャトルバスも出ています。


遠い被災地で頑張っている子に送る文房具(下記参照)を持って、ぜひ遊びに来てね!



※いずれも未使用のもの……ノート/鉛筆・シャープペンシル(芯も含む)/ペン類/
消しゴム/ 下敷きOA用紙(束になっているもの)/定規/絵の具・クレヨン

〝誰か〟のために、汗を流した若者たち〜震災5日目の浦安から〜

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編集チーフHです


震災から5日目の3月15日、僕は取材で浦安地区へ。




大人が食料やガソリンの確保にほんろうされていたころ、ツイッターやミクシィなどの
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて被害の深刻さを知った若者たちが、
土砂むき出しの街にボランティアで駆けつけていました。


遠くは渋谷区や木更津から、本数不足で混み合う京葉線や東西線に乗って参加していた彼らに
復興後の〝きずな〟を見た気がします────。





地中の泥が露出して乾き、車が通るたびに褐色の砂塵を巻き上げます


被害の大きい舞浜や今川を歩けば、家並みはほこりで色あせ、


行き交う人々の表情も、マスクの下に隠れて分かりません


今川地区では、車輪の半分が埋もれたままの
自転車を見かけた


現地は、下水設備の機能が停止して長期化の様相。


また、新興住宅地では地元情報から孤立する世帯もあり、


保育園の閉鎖で働けない母親がいるなど、次々と新しい問題も浮き彫りになっていました。





そこに、復旧を手伝うべく駆けつけたのは、15日時点で


連日約250人のボランティア「心は東北地方にあるものの、


まずは身近なピンチを救いたい」話す葛西のフリーターや


「家も水が出ない。でも、じっとしていられない」と、


自転車でやって来た市内の女子大生をはじめ、


インターネットで事情を知った10代や20代が目立ちます。





スコップを手に、現場へと向かう彼らの作業は地道。


泥で詰まった排水溝の回復、埋もれてしまったマンホールの掘り起こし、仮設トイレの組み立て、


小中学校の通学路確保などを、誰もが黙々とこなしていました。


舞浜で出会った男性は「このトラックで、今日も5回ほど泥を捨てに
行ったよ」と話す。災害5日後でも土砂はなくならない

静かな住宅街に、ショベルカーなど重機の音が響く。
隣の江戸川区からも多くの業者が応援に駆けつけた



話を聞けば、1人で参加を決めた人もかなり多数。


初めての土地で、見知らぬ者同士が協力し、名前も知らない人のために汗を流す……


そんな美しい光景が、砂風にくすむ街のいたる所で生まれていたことに、心が温まります。


作業から戻ったボランティアの靴は、泥が付いていても美しい


灰色の土砂にまみれたスコップもまた、
無言で若者たちの善意を物語る


「募集をかけて、すぐに反応してくれた行動力がうれしい。熱意を無駄にしないよう、


僕らは自治会や学校にアプローチし、住民が困っていることを積極的に聞き出したい」とは


現場で指揮にあたっていた浦安青年会議所の深作寛さん。




デジタルな生活を送る彼らが流していた、アナログの象徴とも言える〝汗〟。


その一粒一粒が教えてくれたこと──「私たちは他人、だけど、バラバラじゃない」。


災害から立ち直った日本で、のびのびと活躍する若者たちに期待したいものです。


住民に向けて応援メッセージが届いている。浦安市の発表では、
16日時点で1604人がボランティアに参加。なお取材当日の
15日は正午過ぎで302人、子どもを連れた女性も見かけた

香川のうどん5杯

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編集チーフHです



先月末、うどんを食べに香川まで行ってきました。
四国上陸はおよそ十年ぶり。四万十川流域で1カ月にわたる取材を行って以来です。


当時、僕はCM制作会社にいて、ある食品の〝人生が見える食べ方〟という企画を担当。
プロデューサーの「よしH、明日から高知で、とりあえず3日分の着替えを持って
〝川と生きる漁師を探しました。結局1カ月になったから服も体もやつれたけど……
仙人のような老漁師に出会えたし、うなぎやゴリの漁にも連れて行ってもらったし。
これって、なかなか貴重な経験ですよね


思い出話はさておき、空港到着後、ガイドブックに書かれた〝看板もない〟という
タイトルに惹かれて、まずは三嶋製麺所に向かいました


ここは川沿いの小さな集落の中にあり、頼みのカーナビもうまく表示せず、道は細く、
近づいても「次を右折」などの案内は皆無。そんな、初心者を拒むロケーションだから
ょっとした冒険気分になり『絶対に食べたい!と、テンションが上がります


三嶋製麺所のメニューは、小または大を選び、それを冷たく食べるか、温かく食べるか。
味付けもネギ、七味、しょうゆ、味の素などで自分好みに整えるスタイルです。
す、すごい! ローカルな讃岐うどんって、こんなにシンプルなんですね!





で、僕は「小・温」を注文。
おすすめは「釜たま」らしいですが
うどんトリップはまだ始まったばかり。
満腹になってはいかん、と
さっぱりいただくことにしました。
ちなみにマイ箸持参で、たまご無料とか。



てきぱきと働く、おばあちゃんの艶やかな一杯





よく「うどんはコシが命」と聞きますが、
こちらの麺は噛んでもあまり抵抗がなく、
つるつると上品な舌ざわりが印象的です。
続々とやって来るお客さんにあせり
しょうゆをかけ過ぎたことが残念ですが、
舌の上を滑っていく、あの感覚……。
上々のデビュー戦になりました。





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次は〝うどんマップ〟のはずれにありながら、行列ができると評判の「谷川米穀店」。
並ぶこと約1時間だったのに対し、うどんを味わっていたのはわずか3分……。
ガイドブックには〝うどんのテーマパーク〟なんて紹介されていましたが、
なかなかうまい表現ですね
長く待つので『自分は、並ぶまでしてうどんが好きなのか?』と
自問自答してしまいます
列に並んでいると、クリアファイルに入った「味付けの仕方」が回覧されてきました。
説明によれば、調味料はネギ、しょうゆ、酢、赤唐辛子、青唐辛子の佃煮、味の素。
赤字でしっかり「しょうゆはほんの少し垂らす程度」と書いてあります。今度は注意。

入口では、若い店員さんがはにかみ目線です

いずれも入れすぎ注意の調味料たち
食べ方は、ネギを乗せて、しょうゆを垂らし、好みで酢や唐辛子類を入れます。
店から出てくる何人かがヒーヒー言ってたので、唐辛子類には気を付けた方がよさそう。

酢と青唐辛子で味付けするからか、沖縄料理のテイストを思わせます。
ああ、辛くておいしい。すっぱくておいしい。そして麺が口の中で踊ります。
三嶋製麺所が〝つるつる〟なら、こっちは〝つるぷり〟でしょうか。
でも、並んでいる人のために急がなきゃ。あ、唐辛子入れ過ぎちゃった。激辛っす。

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続いては「手打うどん松岡」です。
さっきから食べ続けているのでなんですが、イメージ的にはランチのつもりだったかも。




今までの2軒では、浮き足だっていたので
店内を見渡す余裕がありませんでしたが、
こちらはタイミング良く常連客1人だけ。
おかずとして、おでんや天ぷらなんかが
置いてある店も多いようですね。








これまでシンプルに食べてきたので
思い切って天ぷらに挑戦してみました。
関東では珍しい「赤天」なるものが
あったけど、ちくわをチョイス。



このちくわを、うどんの上に乗せるべきか、いや、このままかぶりつくべきか……
最後まで葛藤しながらいただきました。結局「俺のダシに油が浮いてるぞ!」とか、
ご主人に怒られるかもしれないので、乗せないことにしましたけど。合ってます?
注文したのは「かけ」。松岡の麺は歯ごたえがあり、強いコシを感じました。
ぷりぷり、ぷりぷりと、よく噛むからおなかいっぱいにダシを口に含めば
『あ、これがイリコなんだ』と、落ち着いた気分になれますよ。

ノスタルジックな厨房。釜や鍋から立つ湯気に
ご主人と奥さん、息子さんが目を細めながら、
一杯のもてなしに集中しています


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こんぴらさんでのんびり腹ごなしの後、夕飯前にもう一軒。
向かったのは「橋本製麺」です。
窓の外、夕日を浴びる讃岐富士に『遠い所まで来たなぁ』って、しみじみ。
客は、まず80歳くらいのおばあちゃんがスーパーの袋を手にやってきて、
次に車で乗り付けたパンクファッションの女子。それと、観光客の僕らです。
何だかまったく統一感がなくて、面白かった。この店はもちろん、香川では
うどんそのものが、年齢を問わずに愛されているんだなーと、実感した瞬間でした。

若大将のたくましい指でほぐされて、
麺はさらに旨くなる……

結論、やっぱり讃岐うどんは釜たま」が旨し!!

うどんの白、ネギの緑、かつおぶしの茶、潰された鮮やかな黄身。色合いといい、
バランスといい、食欲をそそる美しさですよね。つるつるのうどんと、たまごの潤いで、
摩擦ゼロでかき込めます加えて、こんもりした讃岐富士のように、黄身が生むまろやかな
風味。麺には、若大将の太い腕と優しい人柄を感じさせる、心地よい弾力がありました。

さすがに夕食は、うどんをギブアップ。
地元の居酒屋に入り、名物の「骨付き鶏」や瀬戸内の魚、地酒を堪能しました!


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でも翌朝は……ストイックに、またもやうどん。ラストの1軒は「こんぴらや」です。

おそらく家族経営と思われる今までの店に対し、こちらはチェーン店で高松駅前だからか
アルバイトの女子が頑張っていました。
もちろん、それでも僕にとっては文句なし。
昔から、こうしてレモンやらすだちやらをかける食べ方に憧れていたので、
最後の一杯は冷たいうどんを選択。温かい麺に比べ、かなりコシが強くなりますね。


昨日の釜たまも絶品でしたが、看板にもあるように、この店は「温玉ぶっかけ」が
おすすめのようです。讃岐うどんとたまごって、とても親しい関係なんですね。



以上、香川初心者が選んだうどん5杯。皆さん、ごちそうさまでした。
ちなみに松山と合わせ、滞在中に7種類の地酒を楽しみました。あー、旅っていいですね。